"STEP"シンポジウムでは、聴覚障害者の情報保障として、一般参加者からの要望に応えて、試験的に『パソコン要約筆記』を行いました。
パソコン要約筆記とは、人の声をOHP(オーバーヘッドプロジェクター)のシート上に書き写してスクリーンに投影し、「聞こえ」の不自由な方に伝える活動を「要約筆記」「筆記通訳」「文字通訳」といった名称で呼ばれています。大学の授業でも、講義をノートに書き取り、聴覚障害学生に伝えるノートテイク活動が行われています。
手話と並んでこうした文字による情報の伝達活動がなぜ必要なのでしょうか。その理由は、手話が分からない聴覚障害者・学生が少なくないこと、そして、たとえ手話を理解したとしても、手話を見ている間は、ノートを取ることが難しいからです。
さて、この手書きの部分をキーボードにおきかえて、聞いた音声をノートパソコンのキーボードを使って素早く文字入力するボランティア活動を「パソコン要約筆記」と呼びます。タッチタイプ(見ないでキー入力する)をマスターすれば、1分間に120字〜180字程度の文字入力が可能ですので、音声情報を伝える支援活動としても注目されています。素早く入力し、ときには要約することによって、同時通訳的に音声を伝達することも可能です。
今回のシンポジウムの聴覚障害者への情報保障として、「手話通訳」・「OHP要約筆記」により情報伝達が行われました。「パソコン要約筆記」はあくまでも試験実施という形で行い、今後の反省会を踏まえて、本学の講義でのノートテイクと平行して行っていくことを検討しています。
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