社会福祉学部に「絵本と児童文学」とは?何を学び、研究するのか

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社会福祉学部に「絵本と児童文学」とは?

 社会福祉を専攻する学部でありながら、「絵本と児童文学」をテーマにするゼミナールは、 何か収まりの悪さを感じるかもしれません。社会福祉は人間と社会について、 広く学び研究をしますが、具体的に児童福祉(保育も含む)や、教育と福祉(養護学校も含む)に 関心を絞っている学生が多くいます。そんな状況を考え「絵本と児童文学」を学び研究するゼミナールを開設しています。 児童文学あるいは文学専攻でないため、困難さはありながらも、 社会福祉を専攻する立場から絵本と児童文学を学び研究する特徴を 作り上げていくことに意味を見出そう、ということでもあります。
 なお、テーマを絵本と児童文学としていますが、内容としては児童文学が絵本をも包摂する概念です。 しかし一般的には、児童文学は小中学生向けの挿絵をともないながらも文章を中心でもので、 絵本は絵の比重の大きい幼い子どものものととらえられている状況にあります。 本であっても、子どもの文化財としての表現方法の違いと対象年齢の違いととらえているからでしょう。 ここでは現状の認識に合わせて、「絵本と児童文学」というテーマにしています。





何を学び、研究するのか

@絵本と児童文学の基礎知識と全体像をつかむ
 ゼミナールのテーマが、カリキュラムに科目として配置されていない内容のため、 まず基礎的知識の獲得と絵本と児童文学の全体の地図を描くことができるようになることに力を注ぎます。
したがって最初は過去に出会った好きな本を出し合い、どんな内容のものか確認し、 なぜ好きだったのだろうかと、対象化する作業をします。
 作品の受けてから子どもに与える立場になりつつあるため、 作品分析と評価の力を徐々につけて行かなければならないからです。

A読み聞かせ(語り)をみがく
 たくさんの絵本検討をする過程で、読み聞かせ(語り)の技術をみがいていきます。 作品のテーマを把握して自分のいくつかの声を使い分けられるようにして、 相互応答の語りの世界を作れるよう、体験を蓄積していきます。
 語りの力は、借り物でなく自分らしさの表現と対象(主として子ども)との 相互応答の感覚を維持することによって、みがかれていきます。

B作品研究
 作品研究は、ゼミナールでの最も重要な学びになりなす。その作品をどの視点で理解し 作者のメッセージを読み取るかは、各自の感性と教養とそれを表現する言葉の力が問われることになります。
 答が一つではない、視点を変えると別なものが見えてくるので、喧喧諤諤の討論になっていきます。 作品を、嗜好でみるだけでは解釈の言葉につまるものです。分析し評論の世界を作り上げていくのです。 その場合、ストリーとテーマ性だけではなく、絵の表現、技法、構成など多面的な切り口から作品研究することになります。

C作家研究
 作品研究にも作家論は付帯するものですが、作家の作品と生活史を研究する作家研究があります。 自分の好きな作家について研究することによって、その時代の理解と作家の内面にも出会えるものです。 文献に当たっていくと、著者によって解釈や評価が異なるのもまた面白いものです。

D絵本の制作、児童文学の創作
 自分だけのオリジナルの絵本を制作したり、児童文学を創作してみます。これは苦手な人がいるので、 可能な人がやることになります。たくさんの作品を読んでヒントを得ることと、普段からそうとうの期間をかけて、 素材になるものを溜め込んでおかなければなりません。児童文学は、自分の体験が素材の一部になる場合もあります。

E福祉関係の絵本と児童文学の研究
 社会福祉専攻ならではの立場から、福祉関係の作品研究します。障害児(者)関係の本は、 すでに60冊を超えて出版されているし、お年寄りをあつかった本も30冊を超えています。 そこに多くの作品を福祉の視点から光を当ててみると、作品解釈に厚みが出てくるものです。
 かつて卒論には「絵本の中の父親像」、また「ジェンダーの視点からみる児童文学」といったものがあり、 社会福祉専攻ならではの絵本と児童文学のゼミナールだ、と思ったものでした。




ゼミ計画

    [3年前期]
  • ゼミの出発
  • 知り合いになろうコンパ
  • 松居直著『絵本のよろこび』(NHK出版)を手がかりに、絵本論と読み聞かせをする
  • 絵本の読み聞かせを習熟する
  • 課題 絵本の作品論

    [3年後期]
  • 文献学習 鳥越信著 『はじめて学ぶ日本児童文学史』 2001年4月(ミネルバ書房)をテキストとして輪読
  • 課題 各自関心あるテーマによる論文
  • 春の合宿(2月中旬) テキストと課題の論文検討

    [4年前期]
  • 各自(グループ)のテーマによる報告と討論
  • 卒論計画の提出
  • 夏合宿(9月中旬) 卒論テーマと概要の報告(3年生参加)

    [4年後期]
  • 卒論への取り組み
  • 卒論提出
  • 卒論報告会合宿(3年生参加)
  • お別れコンパ(旅行)




2006年度 ゼミの人びと


    4年生

  • 井之口
    「髪を切りたい」
  • 宇留野
    「がんばります」
  • 梶浦
    「課題がんばります」
  • キム
    「課題が多すぎです」
  • 蔵本
    「だらけないように頑張ります」
  • 小島
    「実習がんばりたいです!」
  • 島崎
    「パソコン、マスターします」
  • 森下
    「秋野先生宅から3分のところに住んでいます」


    3年生

  • ふかや
    「サッカーと観劇を中心に、わたしの世界は回っています」
  • みっちー
    「おしゃべりなパソコンネット中毒者」
  • えみり
    「アーチェリーなら私におまかせ♥」
  • わっしー
    「おかし大好き♥」
  • えつ
    「抹茶、きなこ、あんこ…和菓子にはまってます♥」
  • みや
    「スポーツやるのも見るのも大好き!!」
  • げそ
    「双子」
  • しんぺ
    「ゼミの棟梁 自称本の虫」
  • とも
    「ショッピング大好き♥」
  • Zann
    「Disneyにかなりはまってます」
  • エミ
    「ごはんと睡眠が得意です」
  • りゅうぞー
    「ラクガキが大好き!」